GINZA SIX 2026 Summer「麺倒な美学」
麺を編みました。
スパゲッティ、うどん、そうめん、そば。
これらに共通するのは、穀類から生まれた一本の線であること。
人は古くから、粉を練り、伸ばし、細い線へと姿を変えることで、おいしさを追求してきました。均一な太さ、なめらかな艶、心地よいコシを求める麺づくりの営みは、味や食感を追求しているはずなのに、美しい線を生み出す造形作業のようにも思えてきます。
さらに、整然と並ぶ麺の姿や麺づくりの所作、そして麺を啜る行為には、どこか共通するリズムが宿っているように感じられました。
そこで本作は、麺をより深く観察するためのスタディとして取り組みました。
実際に麺を編み、交差させ、構造へと置き換えてみる。すると、麺ごとに異なるハリやコシ、粘りが、それぞれ異なる表情として現れてきます。
効率が求められる時代に、粉から麺へ、麺から編み物へ。
あえて手をかけること。身体を使って確かめること。
「麺倒な美学」は、麺を編むという遠回りの行為を通して、美味しさを追求する中で育まれてきた人の営みを探る試みとなりました。
アートディレクター 佐藤寧子




