GINZA SIX 2025 Summer「香風茶景 – Where Tea Meets the Wind」
初夏から夏にかけては、日本茶にとって特別な季節です。寒さを越えて芽吹いた新茶は「生命力の象徴」とされ、
その香りや茶摘みの風景は、夏の訪れを告げる風物詩として親しまれてきました。
本ウィンドウでは、山間の斜面に沿って連なる茶畑の造形を、“フードスケープ”として再解釈しました。
お茶がもたらす開放感や内省的な感覚を五感に届ける空間とするために、禅的図象─円相や「まる・さんかく・しかく」を引用し、形あるものと無(空)のあわい、永遠と一瞬の交差を造形に込めました。
さらに、茶道における回転の所作に着目し、風が香りを運ぶような、香り立つ流動的な現象を表現。夏の茶畑で冷茶を
いただくときの、ひとしずくの涼やかさ。
その一瞬に漂う深い静けさと、心ほどける余白を感じていただければ幸いです。
アートディレクター 佐藤寧子






