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GINZA SIX 2025 Spring「Floral Feast」

日本では、馬肉を「さくら」、猪肉を「ぼたん」、鹿肉を「もみじ」、鶏肉を「かしわ」と呼ぶことがあります。
これらは、肉の特徴を花や草木に例えた美しい別名です。その起源は、仏教の影響で肉食が禁じられていた
江戸時代にあります。当時、肉を口にすることを公にはできず、肉食を連想させないようにするための隠語
として生まれたと言われています。

よく見れば、それぞれの肉の色や質感が、花の色や葉の姿と響き合っています。直接的な表現を避け、自然や季節に
結びついた「美しい草花」に喩えることで、和歌にも通じる風流を感じさせ、食材に優雅さと華やかさを添えています。
また「美しい草花」への喩えには生き物の命をいただくことへの感謝の気持ちや、供養の意識を込める意味もあったの
かもしれません。
例えば、現代でも「いただきます」という言葉に、命への感謝が込められているように。

肉食が一般的になった今でも、こうした別名にはどこか「粋」を感じさせる魅力があります。
ただ食材を指し示すのではなく、言葉にひねりを効かせる洒落た遊び心。そして、間接的な表現の中に奥ゆかしさや
品の良さを感じさせる「察する文化」。そうした美意識が、今なお息づいているのかもしれません。
今回制作した「お肉のお花」には、自然の美しさを生活に取り込む日本の感性と、命をいただくことへの感謝の気持ちを込めました。ぜひ、この花々を通じて、季節とともに楽しんでいただければと思います。

アートディレクター 佐藤寧子

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