GINZA SIX 2024-2025 Early Spring「味噌モザイク:風味の民藝」
味噌作りと土器作りには、異なる分野ながら、どちらにも人間の手仕事と自然の力の協業で作られ、多様であると
いう共通点があります。
伝統的な味噌作りでは、蒸した大豆や麦などの原料に、麹、塩を手で揉み込みます。手に存在する乳酸菌や酵母などの
常在菌は、味噌を良好に発酵させ、風味を独特のものにする重要な役割を果たします。一方土器も、手作業で土を
練って形を整え調理器としての機能を完成させ装飾を施します。仕込みと成形の後は、「発酵や焼成」という
「自然の力」に委ね時間をかけて完成させます。
また、味噌も土器も、その土地で採れる原料を使い、その風土に適した発酵と焼成の技術によって、土地の文化が反映
された、個性豊かな味噌と土器が日本各地に存在します。
完成した味噌を料理に使う時、まっさらな味噌の表面に最初のしゃもじを入れるカービングの感覚や、
味噌玉の塑造行為に、古の土器のクリエイターを想像しながら、味噌文化の魅力と多様性をウィンドウに表現しました。
アートディレクター 佐藤寧子